横浜のみなとみらい駅の改札を出て
パシフィック横浜へ向かう長いエスカレータに乗ると
右手にシラーの詩が見えます。
いつも上昇しながら
2、3のフレーズを読むと、到着してしまいます。
なんだか、全体の意味は、よくわからず、でも響いてくる・・・
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樹木は育成することのない
Der Baum treibt unzählige Keime,
無数の芽を生み、
die unentwickelt verderben, und
根をはり、枝や葉を拡げて
streckt weit mehr Wurzeln, Zweige und Blätter
個体と種の保存にはあまりあるほどの
nach Nahrung aus, als zu Erhaltung seines Individuums
養分を吸収する。
und seiner Gattung verwendet werden.
樹木は、この溢れんばかりの過剰を
Was er von seiner verschwenderischen Fülle
使うことも、享受することもなく自然に還すが
ungebraucht und ungenossen dem Elementarreich zurückgibt,
動物はこの溢れる養分を、自由で
das darf das Lebendige in fröhlicher
嬉々としたみずからの運動に使用する。
Bewegung verschwelgen. So gibt uns die Natur
このように自然は、その初源からの生命の
schon in ihrem materiellen Reich ein
無限の展開にむけての秩序を奏でている。
Vorspiel des Unbegrenzten und hebt
物質としての束縛を少しずつ断ちきり、
hier schon zum Teil die Fesseln auf, deren sie sich
やがて自らの姿を自由に変えていくのである。
im Reich der Form ganz und gar entledigt.
フリードリヒ・フォン・シラー
Friedrich von Schiller
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この詩は
クイーンズスクエア横浜内にある
パブリックアートの1つ。
現代アーティストの
ジョセフ・コスース<Joseph Kosuth>の作品で
The Boundaries of the Limitless
というタイトルだそうです。