ピクトグラムの創作と保全

「ピクトグラムの創作と保全」

JAGDA知財権セミナー2019「ピクトグラムの創作と保全」

1月19日「ピクトグラムの創作と保全」というセミナーに
参加してきました。

私自身は、大手コンビニエンスストアーの
食品ピクトグラムのデザインを手がけたことがあります。

ピクトグラムに関することは、
あまり触れたことがありませんでした。

太田幸雄先生による
ピクトグラムの歴史。20世紀からピクトは使われだした。
LoCosというピクトによる言語。
1960年代、勝美勝先生により提唱された
ピクトグラムの国際バトンリレー。
(世界的な行事を行うごとに、
ピクトをバトンとして受けわたしながらバージョンアップしていく)

1964年の東京オリンピックのピクトのデザインを行った
中島安貴輝先生。
迎賓館の一室で、
田中一光さんをはじめ
デザイナーがデザインしたピクトを
利用者の視点で修正を行うという手法をとったそうです。

国土交通省制定の「公共ピクトグラム」のデザインを手がけた
中川憲造先生。
街中で見かけるトイレのピクトや
非常口のピクトなど生活に欠かせないピクトを手がけています。

ISOのピクトに関する国内委員を務めている久保邦夫先生。

JAGDAの顧問弁護士の岡 国俊先生による
ピクトグラムに関する判例の説明。

JAGDA保全委員長の
味岡伸太郎先生から
車椅子のピクトだけが
他のデザインと違うという指摘があった時・・・

久保先生は、改善の提案をISO内でされたとのことでした。

さらに、車椅子を自分で操作できる人と
操作できない人がいるので
車椅子を自分で操作できる人の
ピクトデザインを作り提案しているそうです。

最近では、昔から使われていた
温泉マークが、ラーメンに見えるということから
人が湯に入っている様子のピクトになりそうになりましたが
反対意見が多く出て
従来の温泉マークと新しいものと
両方使えるようになっています。

授乳のピクトには
哺乳瓶がありますが、
母乳協会からクレームが来ているそうです。

ピクトグラムの定義について
語られたり。

煙の中で
緑の非常口のサインは、すぐに見えなくなってしまうそうです。
オレンジ色の方がよく見えるそうです。

シンプルな方が見やすい。伝達する情報は少なくなる。
2つのピクトを組み合わせて使うことを考えたら。

医療現場のピクトは厳格なもの。
医療事故が起こってはいけない。
量、角度、時間など

アラブ地域では、十字のマークは使わないそうです。
キリスト教の十字からきてるからだそうです。

禁止の丸に斜め線は、NOのNの斜め線だそうです。

機械の定規と視覚の定規がある。

誰もが美しいと感じる黄金比がある。

ISOにあるものをそのままJISに持ってこようとしたり
JISをそのまま使うような要請が来たりすることが多いそうです。
オリジナリティのある施設などは、
もっと自由であっても良いのではないか・・・

時代のロカリティーを盛り込む。

JISは法律ではない。
なので、
デザイナーは自由な発想でデザインすべき・・・

先生がたの様々な考えや意見に触れることができました。
ここには、書ききれない、多くの気づきと学びがありました。

今からのデザインに生かしていきたいと思います。

http://www.jagda.or.jp/information/jagda/3493